『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生72)
「広臣さん…ご心配お掛けしました」
臣は理愛の両肩に手を置き、諭す様に言った。
「理愛、さっきのは良くないぞ」
「え…」
「俺たちの事は二の次でいいからさ」
「何を置いても真っ先にがんちゃんの元へ帰らないとね」
「は…い」
「早く俺たちにBABYを見せたかったんだよね?」
「ん、わかってるよ」
”元主(もとあるじ)”だった大恩ある二人の
温かい心に触れ、
理愛の瞳から大粒の涙が溢れてきた。
「あ~あ、泣かないで💦」
「ヨシヨシ」
「…理愛、二度も俺たちに可愛いBABYを授けてくれて、ありがとう」
「本当に…」
「ありがとね、理愛ちゃん」
その光景を側で見ている廉も涙ぐんでいる。
怪しい色気を放ちながら、自分を誘惑してきた数時間前の、あの隆二の姿はどこにもない。
これで良かったんだ。
全て、きっと、
”あの絵”がもたらした夢だったんだと、
廉は自分に言い聞かせた。
つづく
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