『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生71)
「…すげぇな💦がんちゃん、めっちゃ機敏に動くね」
「乃愛、育てたもんな。女の子の扱いも慣れっこだ」
「まだ実感わきませんか?」
臣と隆二の間に理愛が立った。
廉も付かず離れず静かに佇んでいる。
一気にその場が華やいで、レストランの客は皆うっとりと、その美しい集団を眺めている。
「待って、理愛ちゃん…一回ハグさせて」
「隆二さん…」
隆二は壊れ物を扱うかのように、優しく理愛を抱きしめた。
「ずっと理愛の容態気にしてたもんな」
「夢に出てきたとか、臣が変なことばっか言うから…」
「あ、今そこつっこむか?普通…」
「隆二さん、ご心配お掛けしました」
「理愛ちゃんにもしもの事があったら、俺がたっくん引き取って、臣と別れるとこだったよ」
「はぁ!?マジか、お前…」
「そんな…絶対にいけませんよ」
「まぁ、それはちょっと飛躍しすぎだけど」
「…もとはと言えば、臣の女絡みが原因だし」
「絡んでねぇし、一方的だっつーの‼️」
「どんな理由にしてもね」
「…理愛ちゃんの家族を悲しみの底に置いて、俺たちだけが幸せになんて…なれないよ」
「隆二さん…」
「そうだな」
「…隆二の言う通りだ」
「それじゃ次は俺の番だ」
「理愛、おいで」
隆二の腕の中にいる理愛の手を取り、今度は臣が少し強めに引き寄せた。
理愛の髪を撫でながら抱きしめた。
「…良かった」
「本当に無事で良かった」
剛典がこの場にいなくて良かったと、すぐ側で見守る廉は、心底そう感じていた。
つづく
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