『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生68)
理愛は悲しそうに眉を寄せ、剛典の両頬をその白い手で包み込んだ。
立ったまま自分の胸にうずめる様に抱いた。
「理愛…」
「剛典さん、わかって…」
「温かい…理愛の温もりだ…」
レストラン内の多くの視線が集まるのも気にせず、剛典は妻の細くくびれたウエストに手を回した。
額を合わせて、お互いの鼓動を確かめるように目を閉じた。
こうなるともう、二人の世界だ。
誰も入ってこれない。
臣も隆二も、ベビーカーの隣に中腰でいる廉も、理愛に付き添ってきた長身の異星人達も、固唾を飲んで二人を見つめている。
隆臣だけは相変わらずで、りおを撫でたり、つんつんしたりしている。
「びっくりしてひゃっくり止まったの?いい子ね!りーお」
りおは唇を尖らせ、みるみる不機嫌な表情になった。
つづく
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2020.09.17 09:34
2020.09.17 09:23