『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生67)
「剛典さん…」
そのまま駆け寄り、力いっぱい理愛を抱きしめた。
「よかった…理愛」
「心配かけて…ごめんなさい」
剛典はギュッと目を閉じて涙ぐんでいる。
「今日も撮影だったんでしょ?」
「監督に理由を説明して、すっ飛んできた」
「…子供たちは?」
「名古屋の実家から今こっちに向かってるよ」
「そう…」
「理太はまだ小さいから、ママがいなくてもよく理解してなかったけど、乃愛は見る影もないくらいに落ち込んで、大変だったんだよ」
「可愛そうな思いをさせてしまって…」
「ねぇ、理愛…」
「どうして俺たち家族よりも、臣さん達の方が先なの?」
「それは…」
なぜ真っ先に剛典や子供たちの元に帰って来ないのか?
剛典の心の叫びは、理愛の胸に深くつき刺さった。
つづく
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