『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生48)

「ねぇねぇ、おいちゃん!オバケ怖い?」



タクシーの後部座席で、臣の膝の上に座っている隆臣が身を乗り出して運転手に尋ねた。




「オバケですかぁ?そりゃ怖いですよ」



「そーなの?たぁくんへーきよ♪」



「坊ちゃん、頼もしいですね!」



「いや、きっと実物見たら作り物でもワンワン泣くと思いますよ 笑」



笑って運転手に返す臣を見上げて、隆臣が言った。



「とーしゃん泣くの?」



「俺じゃない 笑」



「たぁくんが一緒だからだいじょぶよ!」



「アハハ…」



「可愛い坊ちゃんですね~」



「いやぁ、今日はまだ話を聞いてくれてる方で、いつもは超マイペース幼児です 」



「目の中に入れても痛くないほど可愛いって、お客さんの笑顔見てりゃ分かりますよ」



「ハハハ…バレましたか?一人息子なんでね」



「ねぇねぇ、おいちゃん!オバケとおばしゃーんとどっちが怖い?」



「隆臣、なんでおばしゃん限定なんだ?笑」



「え!?そりゃ、人間の方がはるかに怖いですよ」



「しょーなの?」



「なんか体験したんですか?」



「アレですよ、今話題の何とかって画家の絵」



「絵?」



「そう!何とかって絵のレプリカを家に飾った途端…」



「内気な女房が男作って出ていきやがったんです」



つづく



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