『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生22)
すぅ~っと大きく息を吸ってから乃愛が言った。
「あのね!何度も言うよ!乃愛はいまとってもさびしい女の子なのね」
「うん、で?」
「え~と、それでね、るーたんによしよししてほしいの」
「うん」
「どして早く帰ってくるの?」
「仕事終わったから帰ってきたんだよ」
「らぶらぶなのに、邪魔しないでぇ!」
「そりゃ無理だ」
「どして?」
「隆二は俺しか見てないから」
「…」
「もががっ💦…臣‼️」
臣の手を払って、やっと声が出た。
それをまた後ろから軽く羽交い締めして、
臣は真っ直ぐ乃愛の目を見て言った。
「いーか?乃愛、こいつは俺のもんだ」
「おまっ…!横暴か💦」
「貸してもいいけど、ハグまでな!」
「おみたん…」
「手ぇ離せ❗馬鹿力💦」
臣がスッと俺を解放した。
「乃愛…ごめんね、泣いちゃダメだよ💦」
その小さな頭を撫でようとすると、乃愛はいつもの勝ち気な表情を浮かべて背をピンと伸ばした。
「おみたん!」
「なんだ?」
「乃愛、諦めないもん!」
「おー!その調子だ❗ちょっとは元気出たか?」
「臣…」
「出たよ!お腹すいてきちゃった」
「そりゃ、いいこった!」
「泣いてる暇なんかないぞ!いっぱい食っていつでもかかってこい!」
「そうしゅる✋」
「乃愛、たっくんみたくなってる 笑」
「るーたん!スープ作ってぇ」
乃愛は立ち上がり、元気よく俺の胸に飛び込んできた。
すぐ隣でニコニコ笑いながら、臣が乃愛の頭を撫でた。
臣…
こうなること分かって?
乃愛を元気づける為に、わざと?
子供部屋の外で廉が佇んで、聞き耳をたてている。
「敵わないなぁ、臣さん」
つづく
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