『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生⑧)
「隆二さん?」
廉は数分前から子供部屋のドアをノックしているが、中から反応はない。
「隆二さん、開けますよ」
少しだが酒も飲んでるし、ベッドサイドでうたた寝でもしてたら…
廉は心配になって扉を開けた。
中の灯りはついたままで、淡いピンクの布団に包まれた二人の姿が目に入った。
隆二に腕枕されて、乃愛は幸せそうに眠っている。
「セラピー成功ですか…」
廉はベッドのそばまで行き、顔を寄せて眠る二人を見た。
「乃愛ちゃん…羨ましいなぁ」
親子ほど年の差がある二人だが、岩田家に出入りするようになってから、乃愛の隆二に対する想いは、大人の女性のものと変わらないことを感じた。
毎日、耳にタコができるくらい聞かされた隆二への想い。
いつからだろう。
乃愛の恋心が自分に伝染(うつ)ったのは?
伝染(うつ)る…
例えは間違ってるけど、まるで熱病のようにカラダが熱くなり、隆二の夢まで見るようになった。
相手は男性で、どこがそんなにいいのか、聞かれたとしてもハッキリとした答えはない。
でも…
例えばこの唇。
厚過ぎず薄過ぎず、丁度いい厚みだ。
ずっと眺めていると、キスしたいという衝動に駆られる。
キス…
廉はベッドサイドに膝まづいた。
「う…ん…」
頃よく隆二がこちらへ寝返りを打った。
ゆっくりと吸い寄せられるように、隆二の唇に迫った。
つづく
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2020.01.16 10:51
2020.01.16 10:42