『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生⑥)

「え~ん💦マーマぁ…」



「どしたの?乃愛…怖い夢でも見た?」



子供部屋に入ってすぐに隆二は、ベッドでうつ伏せになっている乃愛を抱き上げた。



「るーたん…ヒック…マーマいつ帰るの?」



「乃愛…」



泣きじゃくっている乃愛を強く抱きしめる。



隆二の目元にも涙が溢れ出した。



「寂しいね、乃愛」



「…るーたんも、泣いてるのね」



「ん…」



「少しの間でもママの代わりになれたらって思ってたけど…」



「俺じゃあ乃愛の癒しにはなれないね…」



「いやし?」



「癒しだよ」



「疲れた時や悲しい時に、その人がそばにいれば少しでも笑顔になれる存在…」



「ほら、涙を拭いて」



隆二はパーカーの袖口で、乃愛の涙を拭った。



「…るーたんも拭いたげる」



乃愛も自分のパジャマの袖で、隆二の涙を拭いた。



「ありがと」



「どうしたらいつもみたく元気になれるんだろね…」



「あのね」



「ん?」



乃愛は隆二の腕の中から少し伸びをして、小さな両手を自分の口元に添えた。



隆二の耳元で囁くように告げる。



「るーたんが、乃愛のお婿さんになってくれたら、乃愛、元気になれるよ」



「乃愛…」




つづく






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