『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生⑤)
「あー!なんか分かるわー…」
「……」
「でもさぁ、廉くんも臣に負けず劣らずだよ」
「…僕がですか?」
「うん!芸能界に入ったらきっとブレイク間違いないだろね」
「僕は…」
「ん?」
「もしも隆二さんや臣さんが望んで下さるのなら…」
「ずっとここに…ベビーシッターとして通いたいです」
「そりゃあウチは大歓迎だよ。どんだけ助かるか」
「岩田さん一家が自宅に戻られた後も、通っていいですか?」
「ん~…乃愛や理太が家に帰ったら、ウチはたっくんだけになるけど…」
「それでも助かるよ」
「ありがとうございます」
廉はソファーから身を乗り出した。
テーブルを挟んですぐ近くに隆二の顔が迫る。
「あの、隆二さん」
「もう一つお願いがあります」
「なに?なんでも言って」
隆二は人懐っこい笑顔で答えた。
「僕…」
言いかけてすぐに、乃愛の眠る部屋から微かに泣き声が聞こえた。
「待って‼️廉くんごめん!俺、ちょっと行ってくるね💦」
「…はい」
隆二が子供部屋に飛んで行くのを見届けた廉は、グラスに残ったワインを一気に飲み干し、切なげにため息をついた。
つづく
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2020.01.12 00:04
2020.01.11 14:43