『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 スピンオフ(初めてのチュー⑮)
ファーストキス…
とは言っても、お相手はちっちゃな男の子。
プロポーズまでされちゃったけど…
きっともう忘れてるに違いない。
「では2週間後位にもう一度いらして下さい」
いつもの顔に戻った橘さんが、テキパキと対応している。
精算を済ませて坊やは白いパーカーの上にGジャンを着せられた。
金髪のパパと色違いのパーカーみたい。
甲斐甲斐しく坊やのお世話をするパパ。
隣で優しく見守るお父さん。
事情は分からないけど、
2人のイケメンパパか…
ママのお顔、見てみたいな。
パパ達に手を引かれて病院を出ようとした時、坊やがふと振り返り、受付まで1人で戻ってきた。
「おねーしゃん」
「はい!どうしました?」
「いつ結婚しゅる?」
「こりゃ💦たっくん!」
「たかおみ、やめなさい💦」
「かのんちゃん、結婚してあげなさい」
「橘さんまで…やめて下さい💦」
坊やは一生懸命背伸びして、受付のカウンターにお顔を乗っけている。
「やなの?」
「んーとね…」
「坊やがお父さん位まで大きくなった時に、お返事していいですか?」
「いーよ」
「ありがとうございます💦」
「おねーしゃん、塩飴どーぞ✋」
「せっかくだから貰っておきなさい」
橘さんのお許しが出た。
「じゃあ、いただきます」
「どーじょ✋」
「あとねー、おねーしゃん」
「はい💦」
「あのお人形しゃん、見せてぇ」
「え!?これの事かな?」
機関車トーマスのパペットを手につけて見せた。
「ヘンテコね」
「そ、そう?」
「たぁくん、パンマンでなきゃやーら😡」
「あ…アンパンマンね!すみません💦次に坊やが来るまでに用意しとくね」
「いーよ」
「たかおみ、帰るぞ」
「あーい✋」
「おねーしゃん、またね!バイバーイ」
「バイバイ」
たかおみくんか…
いいお名前。
いただいた塩飴、後で食べよう。
ちょっぴり塩っぱくて甘い、ファーストキスの味かもね。
完
6コメント
2019.12.24 05:34
2019.12.23 11:08
2019.12.23 10:33