『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(最愛45)
隆二の腕の中で理愛は全く反応しない。
「あーちゃん!!おっきしてょ!しんじゃやーら💦」
隆臣が軽く揺さぶる。
「たっくん…」
医療スタッフが理愛の瞳孔を見ている。
騒動を聞きつけて集まってきた人混みをかき分け、剛典が姿を現した。
「理愛!?…何かあったんですか?」
理愛の側に膝をつき、ロウのように青白くなったその頬に触れた。
「がんちゃん…」
隆二から理愛を託される。
臣も女を拘束しながら階段を降りて、理愛の側にやって来た。
「階段から落ちたんだ!一刻も早く病院に連れて行かないと…」
「階段から?」
医療スタッフが剛典に声を掛ける。
「岩田様。どうか私達にお任せ下さい」
「…君たちは理愛の星の」
「もしかすると脊髄を損傷している可能性があります」
「嘘だろ?」
「急ぎ、母星の医療施設まで運びます。岩田様、ご承諾下さい」
「そんな…」
剛典は状況が飲み込めないでいる。
「なんでこんな…」
「理愛!…理愛…返事して!」
剛典が手を強く握ると、理愛の長い睫毛が小刻みに震え始めた。
「理愛?」
「た…かのり…さん?」
「理愛…なんでこんなことに?」
すぐ側で臣が項垂れて言った。
「すまない…俺のせいで…」
「臣さん、どうして?」
臣を見上げる剛典の目から涙がこぼれ落ちた。
「広臣…さんの…せいじゃ…ない…わ」
「理愛…」
臣に拘束されている女が、ガタガタと震え始めた。
つづく
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2019.09.13 04:15
2019.09.13 04:12
2019.09.12 23:31