『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(最愛33)
隆臣はアンパンマンと握手しながら夢中で会話している。
「パンマン!!あのね、しゅてきなパンチュありがと♪」
アンパンマンは困ったふうに首を傾げている。
隆二は笑いながら隆臣の後ろにしゃがんだ。
「たっくん、パンマン何のことかわかんないって」
隆臣は興奮していて、隆二の声も耳に入ってないようだ。
「たぁくんもパンマンに変身しゅるのよ!」
アンパンマンが答えた。
「いい子だね❗僕、お名前は?」
少し離れた場所から声がするが、隆臣は全く気にしてない。
「えっと、としゃか…たぁくんでしゅ✋」
ギャラリーがどっと湧いた。
静かに見ていようと思っても、ほとんどの女性ファンが隆臣の愛らしさに心を奪われている。
「たぁくんか!いいお名前だね」
「いつもアンパンマンは君の側にいるよ❗」
「あい!!パンマン!たぁくんにダチョウさんしてくらしゃーい✋」
「たっくん💦あんまり無茶言っちゃいけないよ」
するとアンパンマンが隆二に尋ねてきた。
「パパさーん、ダチョウさんって何ですか?」
「んちゅーってしゅるのよ!パンマン」
隆二より先に隆臣が返事している。
臣は二人のすぐ後ろで、肩を揺らして笑っている。
「ああ❗ダチョウ倶楽部さんのですね‼️」
「しょーなのよ♪」
「じゃあたぁくん!どーぞ」
隆臣は急に照れくさそうにもじもじし始めた。
「へへへ、たっくん照れてないで、パンマンがどーぞって言ってるよ」
「はぁい💦パンマン、んちゅ❤️」
「元気100倍!!アンパンマン‼️」
「きゃあ❤️しゅごーい‼️」
「隆臣くん可愛いっ!」
黄色い歓声と拍手が沸き起こった。
「たっくん目立ちすぎ💦」
「良かったな、隆臣」
「とーしゃーん、おハナ出た」
「鼻水か?」
「興奮しちゃったもんね、えっと、ティッシュ…」
理愛がバッグからサッとポケットティッシュを出して、隆二に手渡した。
「ありがとう理愛ちゃん、ほーら!たっくんチーンして」
隆臣がチーンとやった。
「あーちゃんのティッシュお花の匂いね」
「ほんとだ」
「理愛サンキュー」
「いえ…」
今をときめくトップアーティスト二人と、光輝く女性。
そして小さなアイドル。
4人をぐるっと囲んだ人々はどの顔も笑顔で溢れている。
その中に一人舌打ちをして、臣達を見つめる女がいた。
つづく
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2019.08.21 01:06
2019.08.20 13:47
2019.08.20 09:02