『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(最愛32)
「そっか、乃愛来てないんだ」
「口を開けば隆二さんのことばかり…」
「今日もママだけズルイって随分と駄々をこねられました」
臣がクスッと笑った。
「乃愛は可愛いけど、恋敵は少ない方がいい」
「臣…乃愛はたっくんの居場所を突き止めた恩人だよ」
「わかってるって」
見つめ合う二人の様子を見て理愛が言った。
「乃愛が心配してましたけど、取り越し苦労でしたね」
「ん、何のこと?」
「いえ、気になさらないで下さい。あっ!隆臣くんは?」
ちょっと目を離した隙にいなくなっている。
「きゃあ!パンマンいるよ‼︎」
「あ、あそこだ!アンパンマンの前」
「いつの間に💦」
「パーパ!とーしゃーん!あーちゃん早く来てぇ!パンマンよ」
隆臣の大きな声を聞いて、もうすでにギャラリーが集まってきている。
「きゃ!臣くんと隆二くんだ‼︎」
「見て、隆臣くんもいる!」
小さい子供連れの女性がギャラリーに声をかけた。
「みんな、ルールは守ろうね」
「そうだね」
臣と隆二は人々に軽く会釈して、隆臣の元へ移動した。
理愛も少し後ろから二人に続いた。
ふと立ち止まり、後ろを振り返った。
今一瞬視線を感じたけど、気のせいかしら?
振り返った先に人影はなかった。
つづく
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2019.08.19 03:17
2019.08.19 03:14
2019.08.19 01:16