『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(最愛③)
「臣くんなら、別の女性客が騒いでましたよ。湯上り処で見かけたって」
「ホントに?ありがとうございます」
「いいえ、ツアー頑張って下さい!」
「また見に行きますね!」
「はい」
「ところで湯上り処って上?」
「そうですよ!女湯の向こうです」
「どうもありがとう」
アイツ、いくらなんでも風呂早すぎじゃ?
いや、待てよ。
ふて腐れて、風呂も入らないで飲んでるんじゃ?
そんなに怒るか?
…そんなに、『別れる』は禁句なのか?
考え事をしながら階段を登り、ホテル一階の通路を女湯に向かって歩く。
すれ違い様に隆二に気づいて、軽く悲鳴を上げる女性達の声も耳には入らない。
眉間にシワを寄せて、渋い顔をする。
考えを巡らせている時の隆二は、近寄りがたいオーラを放つ。
ーもう別れるなんて、言わない?
数年ぶりに心を通わせた日に…
そうやって念を押したのは、
隆二の方だった。
つづく
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2019.07.04 09:25
2019.07.04 09:16
2019.07.04 08:38