『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(楽屋裏⑰)
「理愛、いいタイミングで来たな」
「広臣さん」
瞬間に隆二の表情が曇ったのを、臣は見逃さなかった。
「この顔だよ…」
「理愛!俺たちは何も疑われるような事してないって言ってやってよ」
「理太がパパって呼んだから…」
「信じたいけど…」
「火のないところに煙は…って言うし」
「ほら!やっぱ疑ってる」
「隆二さん…」
「乃愛を連れて地球に戻ってからは、広臣さんとは一度も二人っきりで会ってません。
本当です」
理愛は顔色一つ変えずにそう返した。
「見ろ!濡れ衣だ」
「…まだ分別もつかないBEBYが、知らない男にパーパっていう?」
「それは…」
「自宅で寛いでいるときは決まって、三代目や、お二人のソロライブの映像を流していて…」
「理太、広臣さんが登場すると、大泣きしていても途端に機嫌が良くなるんです」
「嬉しいね。最年少のファンが増えた」
「いつの頃からか、画面を指差してパパパパって言うようになって」
「乃愛の真似してるんじゃないの?」
「そうかもしれません」
窓際に立つ隆二は仏頂面をしている。
「ほら、そんな顔すんなって!可愛くねぇぞ」
臣は隆二の両頬を軽く掴んで左右に振った。
「離せよ!気安く触んな…あっ!!」
強めに隆二を引き寄せ、ぎゅっと抱きしめた。
「機嫌直して、隆子ちゃん…」
「理愛ちゃんが見てる前で!!…離せ💦」
「るせぇ!!じっとしてろ❗」
「あの」
「ごめんね💦理愛ちゃん!離せよ💦臣、この馬鹿力っ💦」
「あの、そのままで聞いて下さい」
つづく
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2019.06.11 11:39
2019.06.11 11:32
2019.06.11 11:22