レンタ彼氏『OMI③』
「その格好じゃ寒いでしょ?」
彼は着ていたライダースを脱いで、私の肩に掛けた。
「あ…りがと」
「てか、ホンモノの臣くん?そんなワケないよね」
「あれ?規約読んでないの?」
「えっと…読んでない」
「あー…そうなんだ」
「ホンモノかどうかの質問には、一切答えないから」
「……」
「後で規約ちゃんと読んどけよ」
「すみません…」
「帰るぞ」
臣くんが手を差し伸べた。
「家まで送ってくれるの?」
「早くしろ、風邪引くぞ」
私は震える手を伸ばした。
その手をギュッと掴んで、彼は歩き始めた。
「さっきの奴、ヤバかったな」
「やっぱり変よね?」
「俺、タイミング良すぎじゃない?」
「ありがと…助かった」
「いつもこの時間に帰るの?」
「大体そう…」
「じゃあ明日もここで待ってるよ」
私は夢でも見てるのだろうか?
to be continued…
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