『はじこい』妄想ストーリー③

「お父さん帰ってこないね」


夕食の後、広いリビングで寛ぐ匡平の前に、順子がカフェオレを置いた。


「さっきメールがきてた」


「今夜は遅くなるって」


「そっか」


「春見?どこ座ってんの、こっちきて」


匡平は向かい合わせに座った順子に手を差しのべた。


「う、うん💦」


マグカップ片手に匡平の隣に移動すると、腰に手が触れてグッと引き寄せられた。


「う…密着」


「ん?…いや?」


「ううん…」


「エプロン脱いだの?可愛かったのに…」


「ありがと…」


匡平の長くて細い指が順子の指に絡む。


それは優しく誘っているようで、順子は戸惑いを隠しきれない。


「カ…カフェオレ飲んだら帰ろっかな…レポートまだでしょ?」


「ん?もう済んだよ」


「ホントに?」


「ん、だって春見がうちにいるんだよ。ガンバるでしょ、普通」


「私がゆりゆりのやる気スイッチなの?」


「そうだよ、春見が側にいたら、俺は無敵なんだ」


「無敵…ピンク」


順子がそっと匡平の髪に触れた。


「春見?」


「なぁに?」


「レポート頑張ったからね」


「うん」



「ご褒美ください」







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