三代目❤夢小説 『NAOTO編61』
着信音が鳴ったのでベッドの上で飛び上がり、慌ててスマホを手にした。
「もしもし?」
『今どこ?』
碧からだ。
「那覇です」
『ちゃんと報告しろよ!』
「…ごめんなさい」
『いつ帰ってくるんだ?』
「明日の夜には…」
『まさか?誰かと一緒じゃないだろな?』
「…私のこと信じられないの?」
『芸能人に誘われて、浮かれてのこのこ付いていく様な女だからな。信用できるかよ』
「……」
『向こうは遊びなんだ。それくらい判断しろよ!いい大人のくせに』
「お母さんは?」
『自分の目で確かめろよ!本気でお袋のこと心配してんだったら飛んで帰ってくんだろ?』
「無茶言わないでよ…ここ沖縄だよ!飛行機が欠航してたらどうしようもないでしょ」
『お前…今度他の男と一緒にいるとこ見つけたら、タダじゃおかないからな』
「……」
『返事は?』
「眠いの、切るよ」
『また後で電話する』
「今夜はもう掛けてこないで!」
『はぁ?ふざけんな!』
プツ……ツーツー……
まりあはスマホの電源を落とした。
酷い時には夜中の間、ずっと着信音が鳴ってる時もある。
スマホをデイバッグの中にしまって、またベッドに潜り込み、自分の肩を抱いた。
小刻みに震えている。
『向こうは遊びなんだ』
碧の心無い言葉が心に刺さる。
ーなおちゃんはそんな人じゃない…
ーでも、これ以上は親しくなっちゃいけないんだ…
碧についた嘘で、罪悪感に苛まれる。
先程までの幸せな時間が夢のように思える。
ー夢なら覚めないで!
バスルームから直人が出てきた。
「まりあ、起きてる?シャワーあいたよ」
碧とは真逆の、優しい声が聞こえた。
ーどうか、夢なら覚めないで…
つづく
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2019.01.30 08:14
2019.01.30 07:52
2019.01.30 04:11