『W旦那+(プラス)』 はじめてのおつかい39 三代目妄想劇場 特別編
「ニャーにゃとあしょぶの♪」
隆二より先に、子猫のゲージの前に隆臣が走っていった。
廊下で待機していた直己やプロデューサー、ディレクター、ADがぞろぞろとリビングに入ってきた。
他のスタッフはELLYの誘導で他の部屋に分散した。
カレーの準備は臣に任せて隆二がゲージの前までやってきた。
隆二「たっくん、ご飯食べたらおつかい行くんでしょ?」
隆臣「んー…ちょっとだけあしょぶの💦
ニャーにゃ出していいでちょ?」
隆二「お部屋の中見てごらん。お客さんがいっぱいでしょ?ニャーにゃお部屋に出したら怖がるよ。まだbabyなんだから」
隆臣「やーら…」
隆臣がやっと辺りを見渡した。
見知らぬ顔の大人が大勢いて、廊下の方からもワイワイガヤガヤ賑やかな声が聞こえる。
隆臣はととと…と、並んで立っているADの前まで行き、
グレーのパーカーを着て、CAPを目深に被り、黒の伊達眼鏡を掛けているADに声を掛けた。
隆臣「おいたん、だーれでしゅか?」
「うーんとね💦隆臣くんのパパ達とお仕事する人だよ」
隆臣「テレビの人なの?」
「そう!!!テレビを作るおじさん達だよ」
隆臣「そーなの?お仕事がんばってくらしゃーい♪」
言うだけ言って、またとととと…とゲージの前まで戻ってきた。
声をかけられたADが得意気にガッツポーズしている。
隆臣が声をかけたのは、ADに変装した健二郎だった。
隆二が唖然として健二郎を見つめている。
健二郎は周りの視線を集める中で、『テンションフルー!!!!』を声も出さずにジェスチャーだけで表現している。
隆二「ADね、やるじゃん 笑」
健二郎「今市さん、親子でイチャイチャされるのでしたら、カメラが回ってる時にやってください」
隆二「いっ💦…」
健二郎「うちのADリーダーなんて、いいシーン撮り損ねたって落ち込んでて、慰めるの大変だったんですから」
隆二「…すみません」
AD「ハハハハハ💦」
隆二「成りきってんな…ADリーダーなんて聞いたことないけど 笑」
カレーのいい香りが部屋中に充満してきた。
「ぐるるる~…」
誰かの腹が鳴った。
隆臣は周りを気にする風でもなく、ゲージの中にいる子猫をずっと指で撫でている。
子猫は綺麗なヒョウ柄のお腹を見せて寝転び、ゴロゴロと喉を鳴らし隆臣の指にジャレている。
隆二「多分もうおつかい行かないと思います」
D「そうですか…」
臣「飯食ったら気が変わるかもしれないぞ。隆二!こっち手伝ってよ」
隆二「あ!!任せっぱなしでごめんね💦」
隆二がダイニングの椅子に掛けてあった黒い前掛けを着けて臣の隣に立った。
健二郎「俺も手伝います‼」
隆二「ADさん、関西弁封印中?」
健二郎「え?なんのことですか?」
健二郎はADのままで通すつもりだ。
ELLYや陽翔親子もリビングに入ってきた。
大量の紙皿にカレーが盛られていく。
ゲージの前にいる隆臣の隣に陽翔がやって来た。
陽翔「うわぁ!可愛いね🎵」
隆臣「ひーしゃんもナデナデちて🎵」
陽翔「ありがと‼ふわふわだね、ニャーニャ」
「ミャーオ」
陽翔「かぁわいい❤️」
隆臣「いっちょにお兄ちゃんしゅる?」
陽翔「うん‼二人でお兄ちゃんしよ🎵」
隆臣「いーね!」
隆二「すっかりシェアする気になってる 笑」
「隆臣くんのパパが良ければ是非お願いします」
隆二「いいんですか?babyもまだちっちゃいのに…」
「妻は実家で静養中ですし、僕はサナにかかりっきりで…」
「うちに居ても陽翔は一人で遊んでばかりで、子猫でもいれば遊び相手になってくれるんじゃないかって思ってたんです」
臣「陽翔くんのママ、具合良くないんですか?」
「万全な状態になるまでは時間がかかりそうで…」
隆二「出産って俺たち男が思っている以上に大変なことですよね」
「本当に頭が下がります」
隆二「陽翔くんのパパもカレーどうぞ」
「いただきます」
隆二「あ‼そうだ!たくさんの野菜、ありがとうございます」
「喜んでいだだけて良かった」
臣「隆臣と陽翔くんもおいで!おにぎらずできたよ」
隆臣・陽翔「はぁい♪」
隆臣「ひーしゃん、いこ🎵」
隆臣と陽翔は手を繋いで臣の立つキッチンへ行った。
臣「おし!もいっかい手を洗って」
隆臣「ひーしゃん、いっちょに乗ろ🎵」
陽翔「うん!」
小さな踏み台に二人がくっついて登った。
ELLY「臣と今市くんに負けないくらいラブラブだね、たぁ坊と陽翔くん」
隆二「さすがに、ダチョウさんはしないけどね 笑」
つづく
2コメント
2018.12.30 00:18
2018.12.29 23:58