『W旦那+(プラス)』 はじめてのおつかい⑧三代目妄想劇場 特別編
健二郎はリビングに来て臣に声を掛けた。
健二郎「臣ちゃん、ちょっと愛息お借りします」
臣「なに?急にあらたまって…」
健二郎「エエから、たっくん!健ちゃんとこおいで」
隆臣「なぁに?健ちゃん」
隆臣は健二郎の膝の上に向かい合って座った。
臣「うし、今のうちに飲むぞ♪」
隆二「臣!俺もなんかついできて」
臣「同じものでいいか?」
隆二「うん」
隆二はスルメをかじりながら片手で子猫を撫で、興味津々で二人を見ている。
健二郎「あんな、たっくん。いろんな人や動物にはちゃんと名前があります」
隆臣「しゃんだいめでしょ?」
健二郎「うん、それな。今日は健ちゃんからごめんなさいさせて」
隆臣「なにしたの?健ちゃん、悪さしちゃダメよ」
健二郎は「せやな。健ちゃんはたっくん限定で間違ったことを教えてました」
隆臣「なぁに?」
健二郎「スーパーにおった散歩中のワンコも、ペットショップの鳥さんにもちゃんと名前があるんや」
隆臣「しゃんだいめじゃないの?」
健二郎「そうや、今のところ日本で三代目が名前についてるのは俺らだけやな」
隆臣「しょーなの?健ちゃんやエリたんやのっぽしゃんやそれから…」
隆臣がちっちゃな指を折りながら名を上げる。
隆臣「のあのパーパになおちゃん、パーパとおとーしゃん」
健二郎「そう❗いまんとここの7人が三代目って名前なんやで」
隆臣「びっくりした❗」
健二郎「健ちゃんが間違ったこと教えてたんや、ごめんな…たっくん」
隆臣「いーよ♪」
健二郎「そっか、ありがとう」
直己「あれ?スムーズに解決した」
隆二「やっぱ大元は健ちゃんだったか」
隆臣「健ちゃん、じゃあね、ニャーにゃのお名前もしゃんだいめじゃダメね」
健二郎「そーやな、三代目は俺らと被るし…」
健二郎「そもそもこの子、オスなんかな?」
隆二「残念でした、レディだよ」
健二郎「女の子か?せやな余計なもんついてへんし」
隆二「健ちゃん、そこ触れんなよ」
健二郎「なんで隆二が赤くなっとんねん?」
臣「なになに?メス猫ちゃんなの?」
臣は手にしたグラスをひとつ隆二の前に置き、またドカっと胡座をかいた。
隆二「なんか臣が言うとやらしく聞こえるね」
健二郎「わかる!えろいな」
臣「なんでやねん」
直己「この子猫、ペットショップでもひときわ美人で人だかりができてたな」
健二郎「あ、そうか!直己さん知ってたんっすよね」
直己「そりゃ知ってるよ。血統書付きのお嬢さんだ」
隆臣「ニャーにゃ、おんなのこなの?」
健二郎「せやで、たっくん。名前なぁ…女の子やったら何がエエかな?」
隆臣「健ちゃんがちゅけるの?」
健二郎「ちょっと待ってや、隆二と臣ちゃんから一文字づつとって《りお》ってのどーよ?」
隆臣「りおはダメよ、ニャーにゃにしゅるね♫」
健二郎「え⁉︎たっくん、なんで《りお》アカンの?」
隆臣「ダメなのよ、健ちゃん」
健二郎「ええ?なんでや、たっくん…めっちゃ気になる。あ!わかった、保育園で好きな子でもできたか?」
隆二「酔ってんのか?健ちゃん…たっくんまだ入園してないし」
健二郎「そうやんな。え?なになに?なんでアカンの?たっくん教えてーな!」
隆臣「りおはないない!ニャーにゃがいいのよ」
健二郎「そんな…猫族の総称みたいなネーミング」
隆二「猫族言うな 笑」
臣「じゃあ決まりだな?メス猫ちゃんの名前はニャーにゃで」
健二郎「ヤラシーな、臣ちゃん…」
隆二「ほんと臣やらしい」
隆臣「おとーしゃん!おくちナイナイ」
健二郎に抱っこされながら隆臣が手を伸ばした。
小さな手で臣の唇を摘まんだ。
臣「ふぁ…ふぁなしなふぁい💦」
隆臣「おとーしゃん!鳥さんやって」
臣「ピヨピヨ♫」
隆臣「きゃあ♫鳴いたぁ」
健二郎「あ〜あ…天下のイケメンも台無しやな 笑」
臣「ふぁに?ふぁかおみ!ふぁなしなふぁい💦」
隆臣「やーら」
隆二「あれ?デジャヴ…どこかで見たような?」
健二郎「それよりめちゃ気になるわ💦《りお》がなんでアカンのか…」
隆二「じゃあ子猫ちゃんはニャーにゃで決まりね」
臣「ふぁかふぉみ!」
隆臣「きゃああ♫」
ELLY「臣がオモチャにされてる 笑」
臣「ピヨピヨ♫」
隆臣「きゃはは♫おとーしゃん、もっとぉ❤️」
健二郎(アカン…誰も俺の言うこと聞いてない 笑)
つづく
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2018.11.29 10:36
2018.11.29 10:27
2018.11.29 09:11