ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島 mission13-⑥
ベッドの上でヘッドホンをつけて洋楽を聴いていた隆二が、臣の怒鳴り声を聞いて慌ててキッチンにやって来た。
いきなりドアが勢いよく開いて、同時に臣が飛び出してきた。
「…おみ!?どしたの?」
「いででで!アイツいつかポンコツにしてやる❗ふ…風呂どっちだ💦」
「風呂ならあっちだけど…急所でも打ったのか?」
「い…いいから俺に近寄んな‼めちゃくちゃにされるぞ❗いでで…」
「⁉︎」
臣は股間を押さえながら、バスルームへ走り込んで行った。
「おみ‼︎大丈夫か?」
「くんな‼︎」
ザァァァ…
シャワーが勢いよく出る音がして静かになった。
「…なんだよ?」
「最後のチャンスだっつってみたり、来るなって言ったり…」
隆二がバスルームの前で口を尖らせて立ちすくんでいると、いつのまにか真横にSPYが立っている。
「わっ‼︎…いつのまに…びっくりさせんなよ!」
「大丈夫でございますかねぇ?広臣さま…」
「お前…なんかしくったな」
「はて?コーヒーをお出ししていただけですが」
「てか、気になってたんだけど、なんでいつも割烹着着てんの?」
「これですか?一生に一度は身につけてみたいと願う、女性の象徴ですから」
「ん?なんだろ、妙な違和感を感じる…」
「…俺は身につけたいとは思わないけどな」
「それは隆二さまが男性だからでしょうね」
「…あれ?また、違和感が」
「あ!ひょっとして…」
「なんだよ?」
「申し遅れました!私、正確には《女性型執事ロボ》でございます。以後お見知り置きを」
「じょ…女性⁉︎」
「ええ、左様でございます。きちんと生殖機能も備わっておりますので、ご要望があれば恋のお相手にもなれます」
「それって…」
「ええ!ご想像通り、一夜を共に過ごすことも可能です」
「…はぁ⁉︎」
to be continued…
8コメント
2018.11.12 11:10
2018.11.12 11:07
2018.11.12 10:42