ヒューマノイドロボット『RYUJI』蜜月島 mission13-⑤
「俺の恋が成就しなかったら、一生お前のこと恨んでやる」
臣はキッチンで二杯目のコーヒーをうまそうに飲みながら、SPYを睨み付けている。
「はて?私めになにか不手際がございましたでしょうか?」
「中途半端にオアヅケ食らうのは、これで二度目だ」
「おっしゃっている意味が全く理解できませんが」
「それもそうだ、お前には何の罪もない」
「はて?…旦那様、長旅でお疲れなのでは?」
「……お前に理解しろっていう方が可笑しいんだろな」
「旦那様、アーンして下さい」
SPYがデザートスプーンに乗せた食べ物を臣の口元に近づけてきた。
無意識に反応して口を開け受け入れた。
「…ん?なんだこれ、フルーツっぽいけど、
初めて体験する味だ」
「コーヒーにもよく合います。この蜜月島に自生している木の実です」
「え?それって人間が食っても害はないの?」
「はい、このプライベート・アイランドにご宿泊の皆さまが好んで食されておりますゆえ、ご心配には及びません」
「ならいいけど」
「お口に合いますか?」
「うん、普通にうまいよ」
「それは何よりでございます。数分もすると効果覿面(てきめん)、元気百倍、そのパワーはスッポンや赤まむしの数百倍だとか」
「…は!?…なんつった?いま…あっ…いてて💦」
臣がコーヒーカップを放り出し、股間を押さえた。
「おや?早速でございますか?」
「SPY!てめぇ…なに食わせた?…痛ててて💦」
「疲れた体も瞬時に復活、地球上で最も優れた効果があると言われる強壮フルーツ・ドラドラでございます」
「……あ」
「…アホかー💢」
臣の絶叫がコテージに響き渡った。
to be continued…
4コメント
2018.11.11 22:54
2018.11.11 01:28
2018.11.10 23:25