『W旦那+(プラス)』 TAKAOMI46 三代目妄想劇場ショートストーリー
「たぁくん、今日は髪が立っててカッコいいね」
「これねぇ、パーパがしゅるの」
「たぁくんはおとーしゃんのしょんまげがいーのよ」
「しょんまげ?…はて、なんだろね?おばあちゃんの知らない言葉だね」
「あのねぇ、きゅってね、かっけぇのよ」
隆臣は臣のちょんまげのことを言っているが、伝わっていない。
「ばーば、おねーしゃんまだポンポン痛いの?」
「心配してくれるのかい?たぁくんは優しい子だね…」
「たぁくん、おねーしゃんとこいくよ」
「ありがとね…でもそれは難しいね」
「おねーしゃんに痛いの飛んでけーってしゅるのよ」
「…ありがとう」
「ばーばもポンポン痛いの?」
ハンカチで涙をぬぐう老母の前に立ち、その顔を隆臣が覗きこんでいる。
その膝に小さな手を乗せて首を傾げた顔が、まるで天使のように愛らしくて、一層感情が込み上げてくる。
「すみません、ありがとうございました」
声に気づき顔を上げると、隆臣の後ろに二人が戻っていた。
「たっくん何か言いました?大丈夫ですか?」
「とても優しくて可愛い坊っちゃんですね」
「おとーしゃん、ばーばもどこか痛いのよ」
隆臣がおとーしゃんと呼んだ方を見上げると、トップの髪を一つにまとめて、ちょんまげスタイルにしている。
「ああ…しょんまげって」
母は泣き笑いになった。
涙がおさまるのを待ってから、隆二が切り出した。
「娘さんに会わせてもらえませんか?」
つづく
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2018.09.16 04:34
2018.09.16 02:25
2018.09.16 02:11