『W旦那+(プラス)』 TAKAOMI37 三代目妄想劇場ショートストーリー
マネージャーと警察官が敷地内に入ってきた。
臣とELLYが拘束している女の前に行き手錠をかけた。
「連行します」
「お母さん…助けて!」
「ちょっと話を聞いてください!」
老母が今度は警察官の腕にすがった。
「容疑者の母親だな?署まで同行してもらおう」
パトカーの後部座席に警察官に挟まれて女が乗せられた。
母親も別のパトカーに乗り込んだ。
「たぁくん‼︎ママすぐに戻るから…待っててね!」
「おねーしゃんが…」
「パーパ!おねーしゃんたしゅけてあげて」
「たっくん、大丈夫だからね」
「隆臣‼︎よかった…どれだけ心配したか…」
臣は隆二の腕から隆臣を受け取った。
「隆臣…」
キツく抱きしめられ、隆臣は臣の胸に顔を埋めた。
「ああ‼︎…隆臣くん!よかった!無事で…」
臣の足元にマネージャーがへたり込んで号泣している。
無精髭も伸びて、げっそりやつれた感じがする。
臣の胸からひょこっと顔を出し、隆臣がマネージャーに言った。
「鬼しゃーん、遅かったねー!」
「隆臣?鬼って?」
「おとーしゃんとパーパがお仕事終わるまで、おねーしゃんとかくれんぼしてたのよ」
「え⁉︎」
マネージャーは涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げて隆臣を見た。
隆臣がマネージャーを指差して言った。
「マネージャーしゃんが鬼だったのよ、おとーしゃん」
「隆臣はずっと、かくれんぼしているつもりだったんだ…」
「あーあ…」
「おとーしゃんにチョコついたよ」
臣のTシャツにチョコがべっとりついている。
「…いいよ!チョコくらい…」
また隆臣をぎゅっと抱きしめた。
そんな二人を隆二が大きく手を広げ、包み込んだ。
「おとーしゃんもマネージャーしゃんもパーパよりおヒゲしゅごいね♫」
みんなが隆二達を取り囲んだ。
「るーたん!よかったね♫」
隆二は近くに来た乃愛を抱き上げる。
「乃愛…ほんとにありがとう!」
頬にキスされて乃愛が嬉しそうに微笑んだ。
「きゃあ!るーたんくすぐったいょ」
「あー!いーなぁ、たぁくんもパーパとチューしゅるの!」
臣の腕から身を乗り出して、隆臣が隆二の頬に可愛い唇を当てた。
「たっくん…」
「パーパが泣いてるよ、おとーしゃん」
「早くお家に帰ろうね」
臣の目から光の粒がこぼれ落ちた。
つづく
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2018.09.07 12:22
2018.09.07 11:51
2018.09.07 11:13