ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission 8-⑧
…誰かが俺の髪に触れる
優しい手だ…
こんなに心地よいのは、久しぶりだな…
目が覚めると、真綿に包まれたような真っ白でふかふかの布団にくるまっていた。
「ん…」
「よく眠っていたね」
「え?…あんたバーにいた…」
俺に酒を奢ってくれた長髪の男が、黒いガウンを着てベッド脇のソファーに座っている。
「へ?…ここどこ?」
「私の家だ」
「…なんであんたの家にいんの?」
俺は上体を起こして部屋の中を見渡してみる。
高級ホテルのスウィートルームくらいありそうな広い室内に、大きなベッドとソファー、テーブルだけが置かれた贅沢な空間。
「昨夜、君は酔いつぶれて…」
「住所を聞いても答えてくれないので、そのまま自宅に連れて帰った」
「おれ、酔いつぶれたんだ…情けない」
「見ず知らずのあんたに迷惑かけたね」
ふと、違和感を感じて、布団を捲って中を見た。
慌てて布団を元に戻す。
「どうかした?」
「……え?…全裸なんだけど」
男は優雅に立ち上がり、黒髪をなびかせて俺の側に立った。
動揺を隠せないでいる俺の顎をくいっと上げて、いきなり唇を重ねてきた。
「ちょっ!!…なに!?」
慌てて引き離すと、男は真っ白な歯を輝かせて、妖艶な笑顔で囁いた。
「刺激的な夜だったよ」
to be continued…
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2018.08.19 13:02
2018.08.19 12:59
2018.08.19 12:53