三代目❤️夢小説(臣隆編fourth)夏愛⑲
人をかき分けるように並んで歩いていると、
隆二の足が止まった。
「天狗ちゃん、こっち来て」
繋いだ手を引っ張っていく。
照明が反射して全体がキラキラ光る縁日の前にやって来た。
「俺、これでいーや」
「指輪?」
台の上には見るからにメッキだとわかる安物の指輪が並んでいる。
「もっとちゃんとした物の方がいいだろ?」
「いーよ、これで」
隆二は繋いだ手を離し、指輪を手にとって試している。
「見て!これぴったしじゃん♪」
「もうちょっといーもんくれって、後で言わない?」
「んー…わかんない」
どっちだよ…
隆二は左手を照明にかざして見ている。
お面の下からチラッと見える口元が緩んでいる。
まんざらでもなさそうだ。
「臣はどれがいいかな?俺が選んでやるよ」
「ペアでなきゃ意味ないでしょ?」
俺はお面を外し、隆二の後ろに立ち、その肩に顎を乗せてあれこれ取ってみる。
隆二もお面を外して俺の手首を持ち、指に着けたり外したりして色々試す。
フワッとジャスミンの香りがする。
もう一回あの声…聞きてぇな
つづく
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2018.08.18 05:24
2018.08.18 04:55
2018.08.18 04:22