ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission 8-④
臣…
あんなに楽しそうな顔して…
病室へ続く廊下をゆっくり歩きながら、
隆二は心の声を聞いていた。
いつだっけか?
恭介と出会う前だ。
臣の熱愛報道があって…
相手の女性とのツーショット写真がネット上に拡散した。
臣とはオーディションの時からずっと一緒にいて、
あいつのことは何でも理解しているつもりでいた。
付き合ってる女性がいたなんて…
そんな気配も見せないから、記事を目にした時は信じていなかった。
こんなのでっち上げだ。
どうせ大勢で飲みに行った帰りにたまたま撮られたんだろ。
異性が相手の仕事だ。
ファンがあっての俺たちなんだ。
私生活はくれぐれも気をつけなきゃいけないって、お互いにいつも確認しあってた。
『恋人ができたら、真っ先にお前に報告するよ』
そう約束してくれた。
スクープが公になって初めての飯会。
臣はみんなの前で、スクープの女性は交際中の彼女だと認めた。
…なぜ、先に俺に言ってくれないの?
心にぽっかり穴があいた…
釈然としないまま酒を煽り、みんなと別れ
一人で帰った。
その日の夜の出来事だった。
to be continued…
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2018.08.15 00:11
2018.08.15 00:10
2018.08.15 00:01