ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission3-⑥
臣が一人で暮らすマンション。
以前はよくVBAの仲間や隆二と一緒に、俺の家で飲んだり映画を見たりしていた。
「何見る?やっぱホラーか?」
一緒に借りてきたホラーを見たこともあったっけ…
今は大画面で何でも好きな映画をセレクトして視聴できる。
隆二は真正面で見たいと言って、俺のすぐ隣に腰掛けた。
「ラブストーリーがいいな。濃厚なやつ」
隆二がリモコンでセレクトする。
とある映画のタイトルで手が止まった。
え?この映画、確か途中で濃厚なベッドシーンがあったんじゃ…
二人っきりで見るのって…
映画が始まった。
隆二は何も言わず部屋の電気を薄暗くした。
「まぁ、飲めよ」
隆二が俺のグラスにワインをなみなみと注いだ。
自分もグイッとグラスをあけて、手酌で継ぎ足している。
昨夜のことは何も言い出せないでいる。
シャツを引き裂いた罪悪感からか?
あの後どうしたろ?
あのままアイツに抱かれでもしたか?
服を脱がす手間を省いてやったか…
滑稽だよな…俺…
いきなり大画面でベッドシーンが映し出された…
主人公の喘ぎ声が部屋中に響き渡る。
「えっろ…」
隆二はグラスを置いて呟いた。
隣を見ると、しきりに自分の唇を触っている。
気がつくと俺は映画ではなく、隆二の唇を見ていた…
隆二は画面を見つめたまま俺に告げた。
「なぁ…キスしたくねぇか?」
to be continued…
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2018.04.15 13:59
2018.04.15 13:00