ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission2-②
「手、離せよ」
臣は俺の手からiPhoneを取り上げた。
「おい」
「一緒にいる時はLINEのチェックすんな。
サシ飯のマナーだろ?」
「…ごめん」
「お待たせしました‼」
追加の酒が来た。
俺のiPhoneは臣の手にある。
恭介…心配してんだろな。
たまには…いいか。
「まだ付き合ってんの?」
不意をつかれてびっくりした。
「誰のこと?」
「麗しのマッドサイエンティスト」
「…その言い方、やめろよ」
「やっぱ続いてんだ」
「臣には関係ない話だろ?」
俺はぐいっと酒を流し込んだ。
「あいつはやめた方がいい」
かっと頭に血が上がった。
「よくも知らないくせに、そんな言い方すんな!」
恭介は優秀な科学者だ。
そりゃ、男色家ってところは普通じゃないけど…
マッドサイエンティストだなんて…
「怒った?」
「俺、お前と喧嘩しに来たんじゃない」
「言い過ぎたよ。悪かった」
臣はそう言うと長いまつげを伏せた。
駄目だ…
飲まずにいられない…
俺は、ぐいっとグラスをあけ、勢いよくテーブルに置いた。
カラン…と氷の音だけが響く。
「おかわり言うけど、お前は?」
「俺はまだいい」
「すいませーん!酒追加で!」
恭介の忠告も忘れて、大量の酒を食らった。
to be continued…
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