ヒューマノイドロボット『RYUJI』mission1-⑥
フルで聴き終わり、俺はため息をついた。
恭介は…?
『どーだ、参ったか?』
…なんてことは言わない。
世界でも最先端をいく技術なんだろう。
もっとふんぞり返って威張ってもいいものを…
恭介は優雅に膝を組み、軽く顎を上げて、空を見上げている。
長くて細い首の上に、白くて美しい顔が乗っかっている。
風が吹く度に、黒髪がさらさらと流れる。
ずっと見ていたい横顔…
「恭介…仕事サボってて言うのもなんだけど」
「…抱きしめたい」
「夜まで待てないのか?」
「今夜は臣とサシ飯だよ」
「……」
恭介は切れ長の目を俺に向け、冷ややかに言った。
「なんの為に作ったんだ?」
RYUJIのことだろう。
「いきなりぶつけんの?」
「時間を置けば…何か変わるのか?」
いや…
なにも変わらない…
「今夜だけは駄目だよ」
「バースデープレゼントは俺から直接渡さないと…」
「スキ…」
「ん?…今、告った?」
「違う。それがお前のスキだって言ったんだ」
「相方だよ。スキも見せるって」
「甘い声でその気にさせといて、拒否…」
「登坂くんに同情するよ」
「恭介…本気で言ってんの?」
ヤキモチを妬いてる風でもない。
本気で臣に同情してるワケでもない。
恋人でも…
恭介の心の中までは、見えない…
to be continued…
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