三代目❤夢小説 『直己編⑰』

何か話さなければ間が持たないという感情は、不思議と湧いてこない




竹林を渡る風の音だけが聞こえる




ゆったりと、豊かな時間…




二人してなにも語らず、中庭を見ている




「あ、足のケガは?」




「大したことありませんでした」




「それは良かった」




「撮影は順調ですか?」




「ええ、予定通りにいけば、明後日東京に帰ります」




「そうですか…」




「今日はお父さんはご在宅で?」




「あ…いえ、出かけております」




「それは残念です」




「え?」




「こんな素敵な町屋のご主人がどんな方か、是非お目にかかりたかった」




「我が家まで褒めていただいて…ありがとうございます」




「困っている所を助けて下さった、心優しい男性にお礼がしたいと、父が申しておりました」




「礼なんて…目の前で困っている人を見かけたら、普通の人間なら声を掛けて当然です」




「人を疑ったりしないんですね」




ザワッと竹林が揺れた




「それは…どういう?」




彼女は窓の外を眺めながら語り始めた




つづく




夢小説ですが、直己さん目線でストーリーが進んでいきます。

「日本の怖い話」が苦手な方は、次回閲覧注意して下さい。

本日より、夜の更新になります。







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