『W旦那+(プラス)』第131話 三代目妄想劇場
ニ年後…
「こちら676769…まもなく月の軌道に入ります」
銀色に輝く小型宇宙船の操縦席に座る女性が告げた。
少し緑がかった銀髪に青い瞳…
かつて、地球では『理愛』と呼ばれていた。
体にフィットする宇宙服ではなく、
ゆったりとしたシルクのワンピースを着ている。
月の軌道に入ると、自動操縦装置のボタンを押して、操縦席を離れた。
船内にあるベッドルームと思(おぼ)しき空間に入っていく。
殺風景な銀色の空間に一つ小さなカプセルが置かれている。
理愛はスイッチを押して、カプセルの蓋を開けた。
中には、真っ白なモコモコの毛布に
包(くる)まれて、スヤスヤ眠る一歳くらいの男の子がいる。
男の子の枕元に、銀色のフォトフレームが置かれている。
理愛は男の子の柔らかな黒髪をそっと撫でた。
「もうすぐ会えるね…」
End
8コメント
2018.02.07 04:54
2018.02.07 04:33
2018.02.07 03:27