『W旦那+(プラス)』第124話 三代目妄想劇場

5年前、LAの自宅から突如妻は姿を消した。




元々不妊の悩みから、軽い精神疾患を患っており、別れたいと言って家出する事も一回や二回ではなかった。




今回もまたいつもの家出で、その内フラッと帰って来るだろうと、捜索願いも出さずにいたが、




一年二年と時が過ぎ、贔屓にしているマンサーチャーでも行方が掴めなくなり、




3年程前から世界の主要都市の身元不明者をしらみつぶしに調べていた。




たまたま仕事で日本に滞在中、ホテルで目にした雑誌の『街カフェ特集』に、理愛の店が紹介されていた。




店の小窓に佇む白い姿は、間違いなく5年前にいなくなった妻だった。




直接『理愛の店』を訪ねても良かったが、他人の空似である事も考慮して、
警察庁を訪ね身元不明者のリストと照らし合わせた所、特徴などからまず妻であることには間違いなかった。




備考欄に『記憶喪失』と記載されていた。




LAでの暮らしや夫の事など、何も覚えてないかもしれない。




それならば筋道を立て、警察庁の立会いのもとで対面し、妻と接触した上で今後どうするか決めようと思い、本日に至ったという。






End

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