『HAPPY BABY⑬』(続•臣隆妄想劇場104)ショートバージョン
夜の8時を過ぎた頃、エントランスの前にワンボックスカーが止まり、友人夫婦に臣と隆二、そしてベビーカーに乗った陽翔の姿があった。
妻「ひーたん、いい子にしてた?」
陽翔「あーあ」
オモチャを持つ手を大きく振って笑顔で答える。
隆二「ほんと、泣かないよね。ひーたんは…」
臣「とってもいい子だね。俺達もずっと笑顔だったよ」
妻「そう…遊んでもらって良かったね!ひーたん」
夫「誰に似たのか、よく笑う子で…」
夫婦はそう言うと、二人揃って春の日だまりのような笑顔を見せた。
ほんわかしたものに包まれる臣と隆二。
隆二「HAPPY BEBYだね。ひーたんは…」
臣と隆二はしばらく笑顔で陽翔を見つめた。
隆二「コインパーキング、高くついたっしょ?」
夫「全然平気だよ。知らない人にシッター任せるより、どれだけ安心だったか…
ありがとな!隆二」
隆二「ん…ひーたんね。何回も俺のことママだって」
妻「え?まさか…陽翔はまだ8ヶ月だから、
あーあとか、まんまとか、パパパパとかは言っても、まだママって言えないのよ」
隆二「え!?そうなの?」
隆二はベビーカーの陽翔に顔を近づけ、小さな手に触れた。
すると、陽翔が隆二の小指をきゅっと握って、「まーま」と言った。
4人でベビーカーの中にいる陽翔を覗き込んだ。
陽翔はちっちゃな歯を見せて、笑っている。
妻「ん…確かに…ママにも聞こえるね」
隆二「ひなた…」
臣はすぐ隣で隆二の横顔を見ている。
続く
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2018.01.15 23:44
2018.01.15 23:07