『W旦那+(プラス)』第109話 三代目妄想劇場

臣のマンション。



リビングのソファーで、臣と理愛が向かい合わせに座っている。



隆二は臣に先に入るように促され入浴中だ。



理愛「旦那様…もう私は必要ないのですね」



臣「…物分かりがいいね、理愛」



理愛「キスも?」



臣「しないよ。それじゃ意味がない」



理愛「それでは…協力していただけるんですね?」



臣はウォッカをぐいっと飲み干した。



臣「ああ…お前もな」



バスルームの扉が開く音がした。



「臣ぃ!お風呂空いたよ〜!」



隆二の明るい声が聞こえる。



臣「ああ…」



ゆっくりと理愛が立ち上がった。



スウェットの上下を着て、頭からバスタオルを被った隆二と廊下ですれ違った。



「あれ…理愛ちゃん」



「隆二さん…」



理愛は軽く頭を下げて、ベッドルームに入っていった。



ソファーを見ると、臣がじっと隆二の顔を見ている。



隆二「ん?なんか話してたの?」



臣「…いや、別に」



隆二「そう…」



臣の前に腰掛け、バスタオルで洗い立ての髪を拭く。



隆二「ウォッカ…キツイの飲んで…」



臣「今夜、直己さん来ないから」



隆二「えっ⁉︎予定変更?連絡あったの?」



臣「いや…俺の方から、今日はいいって断った」



隆二「なんで急に?」



臣「理愛も出かけるようだし」



隆二「こんな時間から?」



臣「もう少ししたら、がんちゃんが迎えに来るって」



隆二「危険じゃないの?」



臣「がんちゃんには何もしないだろ」



臣にとってはどうでもいい事のように、隆二の耳に響いた。



End






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