『聖夜①』(続•臣隆妄想劇場86)ショートバージョン
臣と隆二が暮らすマンションが見えてきた。
正面入り口に二人が並んで笑顔で話をしている。
セーターの袖口から少し出した手をしっかり繋いでいるのが見える。
隆二が健二郎に気づき、繋いでいた手をスッと離した。
「よっ!」っと片手を上げ、笑顔を見せる健二郎。
(慌てて手ぇ離さんでも見えてるっちゅーねん…)
隆二「健ちゃん、いらっしゃーい」
臣「時間通り…さすが健ちゃん」
健二郎「メリクリ!酒やツマミ買うてきたで!」
隆二「手ぶらで来いって言ったのに…」
臣「サンキュ!そっち持つよ」
片方の荷物を臣が受け取った。
健二郎「今日はお手柔らかに頼んます」
冗談交じりで健二郎が言う。
隆二「なんだそれ」
隆二が目を細めて笑った。
臣「ゆっくりしてってよ!健ちゃん」
健二郎「おう」
健二郎(なんか地元の友達夫婦ん家訪ねた時とそっくりや…)
(ほんまの夫婦みたいやな、こいつら…)
健二郎(嫁はん、ヒゲ生えてるけど…)
チラッと隣を歩く隆二を見る。
隆二「まぁた、おもろいこと考えてたんやろ?」
健二郎「なんやそれ?」
隆二「せやさかいな!」
臣「せやしかし」
健二郎「せやさかいって、関西の人間はあんまり使えへんで」
「せやしかしに至っては完全に創作や」
臣「健ちゃん、とっくの昔に関西捨てたんでしょ?」
健二郎「アホな!人聞きの悪いこと言いなや」
隆二が健二郎の肩をポンっと叩いて、
「エセ関西人やもんな」と言って「へへっ」と笑った。
健二郎「うわぁ!デジャブ…随分前にも同じようなことあったな」
臣「そうだっけ?」
三人で絶妙な掛け合いをしながら、健二郎は二人の愛の巣に足を踏み入れた。
続く
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2017.12.22 15:57
2017.12.20 14:36
2017.12.18 19:12