『聖夜前夜①』(続•臣隆妄想劇場82)ショートバージョン
「ん…」
スマホの目覚まし音で目が覚めた。
カーテンの隙間から朝日が差している。
隆二の首筋に熱い吐息がかかる。
真後ろに臣が寝ている。
真冬にもかかわらず、二人とも上半身ハダカだが、相手の体温で寒さは感じない。
昨夜の余韻も冷めやらず、体が触れ合っている部分はむしろ熱く感じる。
体に纏(まと)わりつく腕を解(ほど)くと臣が「う……ん」と言って寝返りを打った。
(もうちょっと寝かせといてやろ)
うつ伏せになって寝息を立てる臣の髪をクシャッと触った。
「チューは後でね」
隆二は臣の髪に軽くキスをした。
ベッドから立ち上がり、二人が脱ぎ散らかして床に放置してあった衣類を片付ける。
(昨日も急に火がついて、そのまま…)
隆二は照れくさそうに「すんっ」と鼻をすすり、寝室を出た。
コーヒーをSETして朝食の準備をしながら、今日の予定を確認する。
(えっと…今日はクリスマスの飾りやら食料の買い出しと、健ちゃんのプレゼントも買いに行って…)
パタンっと寝室の扉が閉まる音がした。
(今日は起こさなくても、自力で起きたな)
朝食の準備は、先に起きた方がしている。
スケジュールが異なる日などは一人で先に朝食を済ませ出掛ける。
多忙な二人だからこそ、取れる時はできるだけ一緒に食事をする様にしている。
洗面の扉を開けると、臣がヘアバンドをして髭を剃っている。
「おはよー!メシできたよ」
「…はよ」
(今日はタイミングが悪い…)
(シェービングジェルがたっぷりついてるから、キスし損ねた…)
「ちぇっ」
隆二は軽く舌打ちした。
続く
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2017.12.15 11:25
2017.12.15 07:58
2017.12.14 15:19