『W旦那+(プラス)』第88話 三代目妄想劇場
「俺なら斬れるかもしれない」
二人の周辺で邪悪な気を感じたと、突然直己が訪ねてきた。
ライブの舞台裏でも、常に木刀で素振りをしているのは有名だが、役作りだけじゃなくて、直己の剣はもうそんな領域まで達しているのか?
隆二「ゾロだよ、ゾロ!スゲェなリーダー!」
臣(隆二にかかるとこうなる💧)
直己「俺で良ければ、用心棒買って出ようか?」
現時点でサキュバスに対する対抗策が何もない二人は、藁にもすがる思いだった。
だが、臣は険しい顔をして言った。
臣「直己さんを危険な目に合わせるワケには…」
直己「メンバーが困ってるんだ。ほっとくワケにはいかないよ」
臣「直己さん…」
隆二「他に方法がないんだから、お願いしようよ、臣」
臣「でも、もし…」
直己「たまたま通りがかったあのホテルの前で、お前たちに纏(まと)わりつく邪悪な気を感じた後、すぐにあの周辺から気配は消えた」
直己「その西洋の悪魔にも、苦手な人間はいるんじゃないかな?」
臣「……」
直己「いざという時は、お前たち二人で、その聖水ってのを浴びせればどうだろう?」
隆二「臣…迷ってる時じゃないよ」
直己は用心棒として、スケジュールの空いている時は、臣のマンションに寝泊まりするようになった。
臣は空いている部屋を直己に進めたが、直己は頑としてそれを断わり、夜はリビングに正座をしたまま、剣を片手に休んだ。
臣「それじゃ直己さんの体が持たないんじゃ…」
直己「それなら心配ない。昼は自宅に戻って、効率良く睡眠は取ってるから」
隆二「あれだ!心頭滅却すれば…ってやつ…スゲェなリーダー」
臣(ん…ちょっと違う気がするが…
直己さんが居てくれると心強いな)
二人は直己の体を気遣いながらも歓迎していたが、ただ一人理愛だけは異常に直己を避け始めた。
直己がリビングに居る時は、ベッドルームから一歩も出てこなくなった。
隆二「俺らと同居し始めた頃から、直己さんの事苦手だって言ってたもんね…理愛ちゃん…」
臣「そうだっけ?」
隆二「理愛ちゃんが操られているんだとしたら、やっぱ直己さんの存在って脅威なのかな?」
臣「そうだとすると、希望はあるってことか…」
End
9コメント
2017.12.12 14:43
2017.12.12 14:04
2017.12.12 06:10