『W旦那+(プラス)』第54話 (アトラクション~ロッカー)三代目妄想劇場
長いキスを終えて、理愛がバッグの中をゴソゴソし、
「ハンカチ落としました」と言って、
急に方向転換して、臣達のいる方へ歩いてくる。
「えっ?こ…こっち来る!バレたのかな?」慌てる隆二。
臣「あっ!これ…理愛のじゃ…」
足元を見ると、ハンカチが落ちている。
「ヤバっ…」
咄嗟(とっさ)に横にあったロッカーの中に、隆二の手を取り入る臣。
大人二人がやっと入れるくらいのスペースにすっぽり収まる。
隆二「うわ…せ…狭いよ」
臣「しーっ…来る来る…」
ロッカーの上部にあいた僅かな隙間から、理愛の足が見える。
白い手がゆっくりハンカチを取る。
「ん…」
臣の手で塞がれた口から声が漏れる。
しばらくその場に立っている理愛。
「臣…あたってる…股間のもの」
「静かにしてろって…」
隆二の後ろから密着する形で臣が張り付いていて、その体勢のまま息を殺す二人。
「理愛ちゃん!あった?」
「はい」
「暗いから気をつけてね」
剛典の声がして、理愛の足も見えなくなった。
隆二の口を塞いでいた手をゆっくり外す臣。
隆二「はぁ…苦し…」
隆二「臣の臣くんが思いっきりケツに当たってるんだけど…」
「隆二…」
「なに?」
いきなり後ろから隆二の唇に、自分の唇を重ねてくる臣。
「んん…⁉︎」
(なにその気になってんだよ…こいつ⁉︎)
もがいて離れようとするが、狭い空間でどうにも身動きができない。
臣はやめるどころか、隆二の両腕をしっかり掴(つか)んで、暴れないようにしている。
強引に、隆二の口中に舌を滑らしてくる。
「ん〜⁉︎ん〜ん…」
抵抗していた隆二だったが、急に大人しくなり、次第に臣の舌の動きに合わせていく。
ゆっくり濃厚なキスをする二人。
ロッカーの扉が開き、正面に向かい合う体勢になる。
臣はとっくに隆二の手を離しているが、隆二は抵抗する事もなく、自分の意思で臣と唇を重ねている。
薄暗い手術室に愛し合っているようなキスの音と、二人の微(かす)かな声が響いている。
…もう5年。
忘れかけていた記憶が蘇る。
End
9コメント
2017.12.09 13:30
2017.12.09 12:49
2017.12.09 09:28