『W旦那+(プラス)』第26話 (理愛の店)三代目妄想劇場

「ただいま!名古屋どうだった?」


リアの店へ入って早々、隆二が明るく声をかける。


自分の荷物をカウンターの横に置き、
「がんちゃん、いい子にして…」
と言いながら振り向くと、理愛の方からいきなり抱きついてきた。



「…どうしたの?何かあった?」



「いえ…なにも」



「ただ寒気がして…」



「えっ⁉︎」



理愛の額に手を当ててみる。



「熱はなさそうだけど…」



「知らない土地へ行って、疲れちゃったのかな?」



理愛はなにも言わず、細い腕を隆二の腰に回して、胸に顔を埋めている。



「無理に店開けなくてもよかったのに…」



髪を撫でながら言う隆二。



「すみません、オーナー」



「本当にがんちゃんと何もなかった?」



「はい…お食事して、お買い物したくらいです」



「そっか…今日はもう帰ろう。片付けはまた店開けた時でいいからね」



そう言ってシンクの方を見ると、洗い物などなく、キレイに片付いている。



「お客さん、誰も来なかったの?」



「はい…準備だけして、外はクローズの札かけたままです」



「やっぱり疲れが出たんだね」



左手を理愛の頬にあて、間近で顔を見てみる。



白い肌が更に透明になったようで、
頬にも唇にも赤みがない。



「あまり顔色良くないね…」



「タクシー呼ぶから、帰ろう!理愛ちゃん」



理愛の額にキスをする。




End

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