『温泉旅行・完結』(続・臣隆妄想劇場48)ショートバージョン
翌日の朝、早く起きて朝風呂に入る用意をしながらベッドの方を見ると、
臣が布団に包まり眠そうに半分だけ目を開けて手招きしている。
隆二「ん?どうした?おはようのチュー?」
臣「違う…俺、替えの靴下忘れた…隆二買ってきて」
隆二「どうりで荷物少ないハズだよ。売店行ってくるね」
臣「ん…」
臣はまたごそごそと布団に潜った。
1階の売店をうろうろしていると「隆二⁉︎」と聞き覚えのある声で名前を呼ばれた。
振り返ると、釣りに行く格好をした健二郎が立っている。
隆二「健ちゃん⁉︎」
健二郎「え?なに?隆二旅行か?」
隆二「うん!健ちゃんは…って聞かなくてもわかるね」
健二郎「えっ?ここ泊まってたんや」
隆二「そうだよ」
健二郎「…ってことは、臣ちゃんも一緒か?」
隆二「うん、まだベッドでゴロゴロしてる」
何気に見た隆二の鎖骨辺りに、大きなキスマークがあった。
健二郎「そ…そっか」
隆二「ん?赤い顔して…どしたの?」
健二郎「い…いや、野暮なこと聞いた俺が悪かった…」
隆二は「なんだよ…」と言ってすぐにハッとして鎖骨を触る。
昨夜の臣との濃厚なシーンが蘇る。
真っ赤な顔をして下を向いた隆二を見て、
「ほな!俺行くわ‼︎今から海釣りや!」
健二郎は明るく笑って歩き出した。
ロビーの方に釣り仲間の姿も見える。
隆二「き…気をつけてね、健ちゃん…またね!」
健二郎「おうっ!臣ちゃんによろしくな!」
隆二(キ…キスマーク見られたよね…恥ずかし…)
(一緒の宿だったんだ、健ちゃん…)
(あ…そうだ!臣の靴下…)
玄関に向かいながら健二郎は考えていた。
(メンバーの公認やし、二人のことは誰よりも十分に理解してるけど、今日みたいに私生活を実際目の当たりにすると、こっ恥ずかしくってしゃーないな…)
(俺もまだまだ頭固いんかな?)
振り返って売店の方を見ると、隆二がニコニコしながら商品を見ている。
健二郎(隆二…幸せそうで良かった)
温かい気持ちになる健二郎だった。
一泊という短い時間ではあったが、二人には忘れられない旅行になった。
また明日から多忙な毎日が始まる。
最高の相方であり、人生のパートナーでもあるかけがえのない存在。
臣と隆二はお互いの手をしっかり握りしめ、東京へと帰っていった。
完
4コメント
2017.12.02 00:52
2017.12.01 10:32
2017.11.30 19:06