『溺愛④』(続•臣隆妄想劇場61)ショートバージョン
隆二は天井を見上げ太いカニ足をパクッとやってる。
「隆二」
「なに?」
モグモグやってる隆二の首を持ち、自分の方へ引き寄せ、キスをする臣。
隆二「カニ食ったりキスしたり…忙しいったら…」
臣「したい時にして何が悪い」
隆二「悪かないけど…」
臣「隆二…俺に求める割には自分から言わないね」
隆二「なにを?」
臣「俺のこと、どう思ってるかって…」
隆二「臣がそんな事言うなんて、珍しいね」
臣「そうかな?」
隆二「おれ最初に言ったじゃん!」
臣「それっきりかよ?俺には求めるのに?」
隆二「男は愛の言葉を何回も口にするもんじゃないよ」
臣(よく言うよ…俺には口にしなきゃ
わかんないって言うくせに…)
甲羅酒をグビグビと飲む隆二を見つめ、
臣(あ…なんか意地になってきた)
臣「熱燗飲むっしょ?」
隆二「ん?う…ん、用意しよっか?」
臣「俺やるから座ってていいよ」
臣は熱燗の用意をしながら思う。
(あの旅行の時も、結局全部聞いてないし)
食器棚の前に立った隆二が、
「臣?どのぐい呑(のみ)にする?」
と聞いた。
臣「ん?俺コップでいい」
隆二「めちゃ飲む気なんだ」
臣「カニだよ。当たり前じゃん」
隆二「なんかさっきすげ〜悪そうな顔してたよね。なに企んでんの?」
臣(やっぱお見通しか…)
臣「別に…」
隆二「どーだか」
臣「警戒し過ぎなんだよ」
臣「そんなにいつも虐めないって…」
隆二「臣はおっかねぇからなーっ!
狼のヘッド(頭)だもんね」
臣「俺は人間だ」
隆二は後ろから臣のトレーナーをペロッとめくり、
「あ!ホンマや!尻尾がない」
臣はチッと舌打ちし、熱燗用のグラスを二個手にして、ダイニングへ向かおうとした隆二の後ろから首を羽交い締めにする。
隆二は臣の腕をパンパンと叩き、
「あ…ギブギブ!…ジョーダンだって…」
悪そうな顔をして隆二の耳元で臣が言った。
「熱燗お待ちしましたーっ」
続く
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2017.11.30 06:04
2017.11.30 05:08
2017.11.30 04:39