『ヤキモチ』(続・臣隆妄想劇場36)ショートバージョン
UMP舞台裏動画撮影後、東京ドームの楽屋にメンバー3人の姿があった。
隆二「ちょっと!健ちゃん‼︎」
健二郎「なんや?」
隆二「何あれ?今日の千鳥のネタ!」
健二郎「えっ⁉︎おもろかったやろ?」
直人「あー!あの臣ちゃん♪健ちゃん♪
おしまい👋…ってやつ?」
健二郎「うっわ!隆二…赤い顔して…
もしかしてヤキモチ妬いてんの?」
直人「えっ⁉︎マジで?」
隆二は何も言わず、口を尖らせムクれている。
健二郎「ちょっと待ってや!俺やで?俺?
間違っても臣ちゃんと、どうこうなる奴とちゃうやろ?」
隆二「……」
健二郎「それに、千鳥のネタやろうって言い出したん臣ちゃんやで?」
直人「隆二…メンバー公認の二人の中に割って入ろうなんて奴いないって」
直人は優しく隆二の肩を叩く。
健二郎「そやで!黙ってんとなんとか言えよ!」
帰る支度を整えてから、トイレに行ってた臣が楽屋に戻ってきた。
臣「えっ?深刻な顔して何かあった?」
フグみたいに頬を膨らませて、隆二がチラッと臣の方を見る。
健二郎「臣ちゃーん!聞いてぇな…隆二のヤツ俺にヤキモチ妬いとんねん」
臣「えっ?そうなの?」
臣が隆二を見ると、目を逸らしてフードを目深に被った。
直人「撮影の時は普通に笑ってたのにね」
健二郎「アホやろ?こいつ…誰も二人の邪魔なんかせぇへんって…」
隆二「健ちゃん💢」
健二郎「こわっ…💧」
やれやれというような顔をして臣が言う。
「みんな疲れてんのに…うちのヤツがごめんね…」
健二郎「臣ちゃん…」
健二郎(うちのヤツ…って言うた)
すると直人が察したように、
「たくさん食って寝たら、明日にはケロッとしてるって」
そう言いながら、健二郎に肩組みして
「帰ろか?」と促す。
健二郎「NAOTOさん…」
直人は臣や隆二から見えないように、健二郎にウィンクして合図を送る。
健二郎(ここは臣ちゃんに任せようって…そう言いたいんやね?やっぱリーダー✨)
健二郎「そいじゃ臣ちゃんお先に」
直人「お疲れ」
臣「お疲れっした」
二人が退室したあと隆二の方を見ると、
いつの間にかマスクをつけ、シュプリームのバッグを持っている。
臣「珍しいね。お前がヤキモチなんて…」
臣「あのゴシップ記事の時以来じゃない?」
隆二「……」
臣は大きく手を広げて「来いよ」と言う。
隆二は真っ直ぐに臣に向かって歩いてくる。
臣(おっ?素直に胸に飛び込んで…)
臣のすぐ前まで来て、急に方向転換し楽屋の外に出て行く隆二。
臣「あっ!コラッ…スルーかよ!」
慌てて荷物を持ち、楽屋を出ようとすると、
ダダダダダッと通路を走る音がした。
臣(えっ⁉︎逃げた…)
通路に出ると、隆二はもう随分向こうまで走ってる。
臣「隆二!待てよ‼︎」
臣は全速力で追いかけて、東京ドームの通用口を出た所でやっと捕まえた。
「いい加減にしろよ!」
臣は息を切らして隆二の両腕を持ち、ドームの外壁に押さえつけた。
そのまま隆二に口づけをする。
臣(あっ!しまった…こいつマスクつけてたんだ…)
隆二「離せよ!出待ちのファンが見てたらどうすんだよ!」
臣「ほんっと、こういう時のお前…かわいくない!」
片手で隆二のマスクを引っぺがし、
唇を重ねてくる。
隆二(んっ…もうっ、強引なヤツ…)
隆二は首を横に振って離れようとするが、
臣は強く吸いついて離してくれない。
隆二(おみ…)
長いキスの後、やっと離れた臣がそのまま隆二を強く抱きしめた。
臣「駆け引きなんかすんなよ…バカ」
隆二「駆け引きなんかしてないよ」
臣は抱きしめた手を緩めて、隆二の目を見る。
臣「じゃあなに?」
隆二「ヤキモチ妬くほど…好きだからしょーがねぇじゃん…」
臣「もう…勝手にしろ…」
また隆二を強く抱きしめる。
同時に隆二の腹が大きな音を立てた。
隆二「腹減った…」
臣「色気より食い気だよな」
やれやれという表情で笑う臣。
臣「何が食べたい?ラーメン?お寿司?それとも…」
隆二「…臣が食べたい」
目をまん丸にして、固まる臣。
臣「いま音が聞こえた?」
隆二「なんの?」
臣「ズキューンって音」
隆二「あっ?キュンとした?」
臣「うん…鳩尾の辺りにめっちゃ来た…」
臣「そうやって俺の心、鷲掴みにしとけよ…そしたら浮気なんてしないから…」
隆二「おみ…」
臣「ここでしよっか?」
隆二「バ…カ」
またキスしようとして、唇が触れようとした時、
「お疲れ‼︎」通用口の方から大きな声がした。
臣と隆二はびっくりして、揃って肩をすくめ恐る恐る振り向くと、直己が立っている。
臣「直己さん…まだ残ってたんですか?」
直己「素振りしててね」
臣「…なるほど」
直己は「早く帰れよ」と言って、二人の横を通り過ぎていく。
臣と隆二が目を見合わせていると、直己が振り返り、
「こんなとこでイチャイチャしてたら風邪引くぞ」と言って去っていった。
臣(やっぱ見られてた…)
臣「帰ろ」
隆二「うん…」
些細なことで痴話喧嘩した夜は、一段と激しく長い。
あれからお互いのマンションを引き払って、広い間取りのマンションに引っ越しした。
キングサイズのベッドで絡み合う二人。
隆二「そんなとこ…舐めちゃ…ダメだって」
臣「スゲ…お前、ふくらはぎまで感じんの?」
隆二「…もう無理…臣のドS攻撃…キツい…」
臣「えっ?もうギブ?…なんて、言わせねぇよ」
隆二「ライブ終わったばっかで…どんだけ体力残ってんだよ…ん…」
臣「ヤキモチ妬くほど惚れてんなら…耐えろよ」
隆二の耳元に唇をつけて、臣が囁く。
臣「寝かさないからな」
隆二「ん…ドS…」
一層愛を深め合う臣と隆二だった。
完
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