『巴里④』(続・臣隆妄想劇場29)
臣が後ろから、隆二の背中にキスし始める。
「ま…だ、体…洗ってないよ」
「香水のいい香りだよ…」
「汗なんか、かいてないくせに…」
「…待てないの?臣…」
「お前…また、すり抜けていきそうだから」
「……」
お互い何も纏(まと)わずに、後ろから抱きしめられていると、
頭の芯がボーッとしてくる。
バスルームの中は、白い蒸気が立ち込め、
全身が靄(もや)に包まれていく。
出しっ放しのシャワーで、
二人とも首から下は、びしょ濡れになっている。
臣は、隆二のうなじに唇を押しつけ、
「チュッ」と音を立ててキスをする。
耳元で臣が囁く。
「隆二…今日は…越えるよ」
End
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