『遠距離LA↔︎AMS①』(続・臣隆妄想劇場22)


隆二がLAに渡ってから、半月が過ぎた。


シングル曲の制作や、写真撮影の傍ら、


EXPG NY校に訪問したり、


現地アーティストのライブに行ったりと、


充実した日々を送っていた。


ただ、夜になり、宿泊先に帰って一人になると、


言い様のない孤独感に襲われた。


あいつも同じかな?


公式ブログやインスタで見る臣は、


いつも自信に満ち溢れていて、


レコーディングも順調に進んでいるようだ。


でも、時々インスタで、気になるPOSTがあった。


日本にいる時に一緒に買った色違いのシャツを着て、


髭も伸ばしっぱなしで、


唇を尖らせ、不機嫌そうに写っている。


あの顔だ…


捨てられそうになっている子犬の様な表情…


そうかと思えば、


挑戦的な目で、下唇をゆっくり触りながら、


何かを訴えるような表情をする動画の臣。


これって…


ひょっとして俺にアピールしているのかな?


自惚れ過ぎか…?


ふと、一枚の画像が目に止まった。


一人でお茶しながら、真剣な顔で何かを見ている。


新曲の譜面?


撮影用の台本?


全身に哀愁を漂わせ、近づきにくいオーラがある。


一人でいる時は、あいつも孤独なのかも?


手にしたスマホの画面に映る臣の顔を、


じっと見つめている隆二だった。




End

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