『W旦那+(プラス)』第75話 三代目妄想劇場
隆二は臣のマンションで、リビングのソファーに腰掛ける。
「ほい、あったまるから…」
臣がホットミルクを手渡す。
「サンキュ…」
「あったかい…」
隆二は両手でカップを持って言った。
「習慣って変わらないんだね」
「ん?ホットミルクのこと?」
「うん」
「曲作りが煮詰まった時とか、寝る前はこれに限る」
隆二はふうふうして半分くらい飲み干した。
臣が寝室から自分のガウンを持ってきて、「寒いだろ?これ着とけよ」と隆二の肩に掛ける。
「ありがと…」
隆二がカップから口を離すと、口の周りにミルクが固まった膜がついている。
それを見て、臣はスーッと自然に手を伸ばし、隆二の口元を拭いた。
「あ…お前…また」
臣は、少し後ろに引こうとする隆二の頭を片手で引き寄せ、
隆二のヒゲについたミルクの膜を口で吸い取った。
「ダメだって…」
臣の胸に手を当て、引き離そうとする。
「もう…戻れないのか?」
臣は隆二に額をくっつけて、目を閉じている。
「おみ…」
「別れるって言い出したの…臣だったよね…」
End
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2017.11.26 10:28
2017.11.26 06:02