『目には目を』(続•臣隆妄想劇場53)ショートバージョン
臣と隆二が広い浴槽内に向かい合って、湯船に浸かっている。
隆二はさっきからお湯の中に口を沈めて、ブクブクやっている。
お湯の表面に水流ができ、二人の間でアヒルのオモチャがプカプカと呑気に漂っている。
やれやれ…といった表情を浮かべ臣が言う。
「もう機嫌直せよ」
隆二「……」
臣「隆二?」
臣が右手を伸ばして隆二の顔に触れようとすると、隆二が頭までお湯の中に沈んだ。
臣「おい…」
すぐにぷはーっ…とお湯から顔を出し、顔をゴシゴシやっている。
アヒルがプカプカと流れに乗り、臣の前にやって来た。
隆二は機嫌悪そうな顔をして、臣を睨んでいる。
隆二「うち、小さい子いたっけ?」
臣は「これ?」と言って、人差し指でアヒルをつついている。
臣「いや…お前好きかなぁ…って思って」
隆二「……」
更に剥れた顔をして隆二が言う。
「なんでいつも急なの?」
臣「……」
隆二「俺は必ず先に聞くよね?」
臣「……」
隆二「黙ってちゃ分かんないよ」
臣「…突然いじめたくなるから…」
隆二「…暴君だよね?…暴君…ジャイアンの方がまだマシだよ」
臣「暴君とジャイアンって…すげぇ振り幅…」
堪えきれず、臣がぷっと吹き出す。
「おみっ💢」
臣「あ…ごめんごめん」
臣はこういう隆二が可愛くて仕方ない。
臣はお湯に浮かぶアヒルを退けて、隆二の左手を掴む。
「もういいだろ?」
そのまま自分の方へ引き寄せようとすると、隆二はその手を振りほどき、
「のぼせるわ!」と言って、ザバッと湯船から出た。
臣(もう…機嫌悪いったら…)
今度は臣の方が剥れた顔をしていると、
隆二が仁王立ちになったままシャワーを手に取り、
「シャンプーするんでしょ?早よ来いっ‼︎」と臣を呼んだ。
臣(ふーん…髪は洗ってくれるんだ)
お湯から上がり、隆二の前に腰掛けた。
臣「い…いつもより気合い入ってるね」
ゴシゴシと臣の髪を洗う隆二。
臣「あ…すいません…ちょっともう少し緩めで…」
隆二「すいませんねー!新人なので、加減がイマイチわからないんっすよ」
臣「……」
隆二「お客様、耳に泡が入るので両手で押さえといて下さい」
臣「わかったよ」
臣は両手で耳を隠す。
臣(なんかイヤな予感…)
ふと、隆二の手が止まり、臣の右側だけお湯をかけて、泡を流した。
臣(やっと流してくれる…)
次の瞬間、耳を塞いでいる臣の両手首をガシッと掴み、臣の右耳に舌を這わせる。
臣「へ?…あははは…くすぐったいっ‼︎やめろっ!」
隆二の手を振り払おうとするが、凄い力で手首を持たれ、動かせない。
隆二は無言で臣の耳にキスの嵐を浴びせる。
臣「あーっ…あにすんだよ‼︎…やめろーっ‼︎」
隆二(またしむけん出たよ…)
大量の泡で顔を覆われ目も開けられない。
叫んだ時に口元の泡が飛び、口だけが外に出ている。
上半身を左右に振ったり、足をバタバタさせるが、隆二に両膝で体を挟まれ、身動きできない。
隆二は耳の中まで舌を這わせ、臣を容赦なく攻める。
臣「ひゃあ〜っ‼︎ギブギブ!…俺が悪かった!」
舌を離して、臣の耳元で隆二が囁く。
「もう不意打ちしない?」
臣「わかったわかった‼︎許して…」
隆二「……許さない」
臣「…⁉️待て…りゅうじっ!ギブギブ‼︎」
隆二は臣の耳まるごと、はふっと唇で包みこんだ。
臣「やめろーーーーっっ…」
完
Ameba owndオリジナルストーリーです。
6コメント
2017.11.22 13:56
2017.11.22 13:46
2017.11.21 23:39