『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(小さな憧れ24)
主寝室ではキングサイズのベッドに臣と隆二が横になっている。
「たっくんの声だよね?今の」
「ああ、ニャーも鳴いたな、いつものシーシーだろ」
「大丈夫かな?」
「もうBabyじゃないんだから大丈夫だ。助けが必要なら自分から求めてくるよ」
「そうだよね。俺が心配し過ぎんのかなぁ」
「いつまでも子離れできない隆パパはダメダメでしゅ…って言ってやれ、りお」
臣の腕枕でりおがスヤスヤと眠っている。
「よく言うよ、甘々なのはどっちだっつーの。ベビーベッドで寝かさないの?」
「今夜は風も強いし…」
「確かに」
「それに可愛くて仕方ないんだ。この二重の目尻と口元なんかお前そっくりでさ。ほっとけない」
「りおは臣似だろ?大きな目とバサバサでクルンクルンの睫毛、このぷにぷにな鼻もそっくりだ」
「ゲジってる眉は両親に似たんだろな」
「ふふふ、可愛いね。寝ている間に眉カットしちゃおかな」
「このままでいいよ、それもチャームポイントだし」
「ほんと臣ってりおにべったりだね」
「俺が留守ん時、ベタベタしてる奴がよく言うよ」
「誰が言ってたの?たっくんじゃないよね」
「ん?健ちゃん」
「あ、そう」
「なぁ、臣」
「あん?」
「我が家もあちこちにオモチャや猫グッズが転がっててさぁ、照明はアンパンマンだし、すっかりワンダーランド化しちゃったね」
「子持ちになるってそういう事だろ。不満なのか?」
「ううん、可愛い子供たちやニャーにゃに囲まれて、怖いくらいに幸せだよ」
「なら、いいじゃん」
「幸せだけど、刺激が足りないっていうか…」
「あ、そっちか。なら健ちゃんと廉にシッター頼んで、今度は海が見えるハピホ行こっか?」
「3人目できたらどうすんの?」
「俺は何人でもOKだけど…」
「刺激が欲しいんだろ?」
手を伸ばして臣の指が隆二の口元に触れた。
「…そうじゃなくて、小さな憧れっていうのかな」
「憧れ?何に対して?」
「もう一人の臣に」
つづく
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2022.01.17 12:12
2022.01.17 03:20