『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(小さな憧れ22)
廊下には間隔を開けてアンパンマンのバックライトが置いてあり、トイレまでの道のりをやわらかな光で照らしている。
「パンマン、ご苦労様でし」
途中に臣たちのいる部屋があり、小さなりおが眠る子供部屋もある。
壁に手を添えて抜き足差し足と音を立てないように歩きながら、隆臣は独り言を言い始めた。
「お化けがいたのは本当なのよ、パーパが教えてくれたの」
「たぁくんがあーちゃんのお星さまからパーパのお家(うち)に来たずっとずーっと昔のことなんだって」
「外国のお化けでねぇ、とーっても怖いお顔でね」
「耳がこんなでお口もこ〜んなで空も飛んでね」
「パーパはとてもかなわなかったんだけど」
「のっぽしゃんがやっつけてくれたんだって!凄くない?かっけえよね!のっぽしゃん」
「だからもうお化け出ないんだけど、乃愛にお話したらきっと怖くなって廊下に出て来ないでそ?プププ」
トイレの前までたどり着き、口元に手を当てて小悪魔が笑ったと同時に予期せぬことが起きた。
「ミャーオ」
「きゃあ😱」
すぐ後ろで鳴き声がして、隆臣はびっくりして尻餅をついてしまった。
つづく
2コメント
2022.01.12 14:25
2022.01.12 13:10