『W旦那+(プラス)』 三代目妄想劇場 番外編(新生46)
「廉‼️濡れるぞ」
通りをゆく隆二が突然廉の腕を掴み、自分の方へ引き寄せた。
「あ、すみません💦」
足元に大きな水たまりがあった。
「ちゃんと前見て歩けよ」
隆二は男らしい表情でそう言った。
「はい…」
気づくと隆二の腕の中にいる。
しばらくそのまま見つめ合った。
画廊を出てから、廉の心はずっとここに在らずだ。
大好きな人と二人っきりだというのに。
つくづく自分は妄想の世界にいるのが好きなのだと自覚した。
「飯、行くだろ?」
「…なんだか胸がいっぱいで」
「あんまり腹減ってないの?」
「ええ…」
「じゃあ、夜景でも見に行くか」
「…何処へ?」
「お台場」
隆二は廉の手を掴んだままでタクシーを拾った。
つづく
0コメント